【重要】発熱等の症状のある患者さまは直接来院せず受診前に必ずご予約ください
2024.03.19
新型コロナウイルスが完全に撲滅されていない昨今の状況下においては、発熱のある患者さまを診察・検査する際には十分に感染防御策を講じる必要があります。
当院では下記のような感染予防策を行っており、その確実な実践のため、2日以内に37.5℃以上の発熱の症状のある患者さまにおいては、直接来院せず受診前に必ずご予約の上で来院してください。院内感染防止のためご理解・ご協力の程よろしくお願いします。
【発熱外来の受診の方法】
①電話もしくはWEB(「発熱外来」メニューを選択)から診察をご予約ください。
②クリニックへ到着したら、院内に入らず電話もしくは玄関のインターホンでお知らせください。スタッフがお迎えに参ります。
③同時にご家族の診察を希望される場合は2人まで可能です。
電話の場合は予約時にスタッフへお伝えください。ネット予約の場合は同時に希望されるご家族の人数を選択してください。
【発熱のある患者さまに対しての当院の感染予防策】
・原則予約制で診察しています。
・一般の患者さまが使用する診察室とは違う場所で診察しています。また、一般の患者さまとは可能な限り交わらない動線でご案内しております。
・医師や看護師はマスク、フェイスシールド、ガウンなどの個人防護具を使用して診察します。
【発熱のある患者に対して当院で可能な検査】
・新型コロナウイルス(COVID-19)PCR検査
・新型コロナウイルス(COVID-19)抗原検査
・インフルエンザ抗原検査
・溶連菌検査、胸部レントゲン、超音波検査、採血、採尿など
【患者様へ】
・診察の進行状況によっては自家用車などでお待ち頂く事があります。
・当院は宮城県が指定する「発熱等の症状のある方の検査・診療ができる医療機関」です。発熱・息切れ・咳・痰・強い倦怠感などといった新型コロナウイルスを完全に否定できない症状の患者さまを診察する際は十分な感染防止策を講じる必要があるため、その体制維持のため厚生労働省・宮城県の指導のもと【院内トリアージ実施料】(3割負担の場合440円)を算定しています。
RSウイルス感染症は高齢者の重症化に注意!ワクチンによる予防が有効
2024.03.19
RSウイルスは感染すると4~5日の潜伏期間を経て発熱、鼻水、咳などの症状が数日続き、多くは軽症で治癒します。接触感染と飛沫感染で広まります。
乳幼児がかかる病気として広く知られていますが、実は高齢者も多く感染します。その場合は肺炎など重症化するケースも少なくありません。
|高齢者の重症化に注意
季節性の呼吸器感染症として知られているインフルエンザは例年700万人~1,000万人の患者が外来を受診していると推定されています。
そのうち60歳以上の高齢者の割合は2018~2019年シーズンで14.5%、2019~2020年シーズで9.1%でした。
RSウイルス感染症の場合は60歳以上の患者は年間70万人と推定されています。このうち入院は6.3万人、死亡は4,500人です。これはインフルエンザにも匹敵する患者数です。
インフルエンザと比べた場合の高齢者のRSウイルス感染症の特徴としては、死亡率は若干低いのですが、入院期間が長期間となる傾向があります。そのため、高齢者では日常生活を送るための動作能力が低下し、寝たきりになってしまうケースもあります。
このように例年インフルエンザと同様に猛威をふるうRSウイルス感染症ですが、高齢者ではどうして認知度が低いのでしょうか?
乳幼児ではRSウイルス感染症は迅速検査キットを用いて診断することができます。
しかし、高齢者の場合は小児と比べウイルスの排出量が少なく、迅速診断キットでは正確な診断ができません。よって、高齢者の場合は迅速検査自体も保険適応外となっています。
治療に関してもインフルエンザのような抗ウイルス薬はなく、症状を和らげる治療が中心となります。
このように、診断法・治療法がないことが、われわれ医療従事者も含め高齢者のRSウイルス感染症の認知度低下につながっていると推定されます。
|RSウイルス感染症はワクチンによる予防が有効
高齢者ではRSウイルスに対する診断・治療法がないことは先述した通りです。
よって、重症化の危険がある高齢者にとっては予防が非常に重要です。
2023年9月にRSウイルスに対するワクチン(アレックスビー:グラクソス・ミスクライン社)が承認されました。60歳以上が対象です。
特に基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患・気管支喘息といった呼吸器の病気、糖尿病、慢性心不全、進行した肝臓や腎臓の病気)のある高齢者への有効性が期待されています。
RSウイルスワクチンとインフルエンザワクチンの比較
RSウイルスワクチン (アレックスビー) |
インフルエンザワクチン | |
接種回数 | 1回 | 1回または2回 |
持続効果 | 現時点でデータなし | 1シーズン |
注射方法 | 筋肉注射 | 皮下注射 |
対象年齢 | 60歳以上 | 全年齢(生後6か月以上) |
接種時の痛み | 10%以上 | 頻度不明であるがあり |
副反応 | 頭痛、筋肉痛、関節痛(10%以上)、発熱(1~10%未満) | 特に問題となるものはなし |
有効性 | 60歳以上では82.58%、基礎疾患のある患者では94.61%の有効性を認めた。 | 高齢者(65歳以上)では発病阻止効果が34~55%、死亡阻止効果が82%で有効であった。 |
価格 | 27,000円(税込) | 3,500円(税込) |
仙台市若林区六丁の目駅前の角田記念まつだクリニック内科・消化器内科でも、RSウイルスワクチン接種を開始しました。接種を希望される方はご相談ください。
『糖尿病』を放置していませんか?
2024.03.05
厚生労働省の2019年「国民健康・栄養調査」によると、我が国で「糖尿病が強く疑われる人」は約1,000万人と推定されています。
そして、その4分の1は未治療で放置されていると言われており、糖尿病患者様が安心して負担なく治療できる環境整備が急務です。
仙台市若林区六丁の目にある角田記念まつだクリニック内科・消化器内科では、これまで「かかりつけ医」「総合内科専門医」として、糖尿病の患者様が通院できる環境を整備してきました。
現在、当院で可能な糖尿病の検査・治療は下記の通りです。大方の糖尿病検査・治療は可能と考えております。
|当院で可能な主な糖尿病の検査
- 血糖値、HbA1C (ヘモグロビン・エー・ワン・シー)
糖尿病の程度の指標です。院内の検査機器を使用し5分程度で結果が分かります。 - 尿中アルブミン:
糖尿病の合併症の一つである糖尿病性腎症の早期発見に役立ちます。 - 血中インスリン、尿中/血中Cペプチド、75gOGTT:
糖尿病の病態把握、治療方針の決定に役立ちます。 - 自己血糖測定:
簡易自己血糖測定器を用いて自分で血糖値を測定します。 - 間欠スキャン式持続血糖測定(商品名:フリースタイルリブレ):
センサーを皮膚に貼り付けて24時間の血糖値を測定します。
|当院で可能な注射薬による糖尿病治療
- インスリン療法(商品名:ライゾデグ、ノボラピットなど):
血糖を下げるホルモンであるインスリンを自己注射します。 - BOT療法(商品名:トレシーバなど):
基礎インスリン補充目的の持続効果型インスリンの注射と経口血糖降下薬を併用する治療です。 - GLP-1受容体作動薬(商品名:トルリシティ、オゼンピックなど):
膵臓からのインスリン分泌を促進する作用がある小腸から分泌されるホルモン(GLP-1)を、より作用しやすいように構造を変えた製剤です。 - GIP/GLP-1受容体作動薬(商品名:マンジャロ):
上述のGLP-1にGIPという小腸から分泌されるホルモンを加えた製剤です。GIPには食欲を抑える効果があります。
|当院で可能な飲み薬による糖尿病治療
- DDP-4阻害薬(商品名:ジャヌビアなど):
膵臓からのインスリン分泌を促進する作用がある小腸から分泌されるホルモン(GLP-1)が分解されるのを防ぎ、血糖値を下げます。 - GLP-1作動薬(商品名:リベルサス):
上述の注射薬の飲み薬です。 - SGLT2阻害薬(商品名:フォシーガ、ジャディアンスなど):
腎臓において、糖の再吸収を抑えることにより、糖を尿と一緒に外に出し、血糖値を下げます。 - スルホニル尿素(SU)薬(商品名:アマリール、オイグルコンなど):
インスリン分泌を司る膵臓に働きかけ、インスリン分泌を促進させ血糖値を下げます。 - 即効型インスリン分泌促進薬(商品名:シュアポストなど):
スルホニル尿素薬と同様に膵臓に働きかけ、インスリン分泌を促進させ血糖値を下げます。
SU薬と比較すると吸収・分解が非常に速いことが特徴で、主に食後の高血糖を下げる目的で服用します。 - ビグアナイド(BG)薬(商品名:メトグルコ、ツイミーグなど):
肝臓で糖が作られるのを抑えたり、筋肉での糖利用を高めたりすることで、血糖値を下げます。 - αグルコシダーゼ阻害薬(商品名:ベイスンなど):
腸管において、食べ物に含まれるブドウ糖の吸収を抑えて、食後の血糖値が高くなるのを防ぎます。 - チアゾリジン薬(商品名:アクトス):
脂肪や筋肉に対してインスリンの働きを高めることで、ブドウ糖の利用を促進し、血糖値を下げます。
|食事指導
医師や看護師が食品交換表や食事記録表を用いて行っています。
厳重な食事管理を必要とする場合や患者様から希望があった場合は、管理栄養士のいる専門病院に依頼しています。
|糖尿病の治療・検査の最近の話題
- GLP-1作動薬は、膵臓からインスリンを分泌させるだけでなく、体重減量や食欲低下の効果もあり糖尿病治療薬として非常に期待された薬でしたが、これまで注射薬しかありませんでした。
しかしついに内服薬が開発され、2021年から「リベルサス」が使用できるようになりました。 - 2022年にGIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」も使用できるようになりました。
GIPには、血糖を上昇させるホルモン(グルカゴン)を分泌させたり、脂肪にブドウ糖をため込んだり、糖尿病治療には不利な効果がありますが、強い食欲を抑える効果もあるため、実際にはGLP-1受容体作動薬を超える効果が期待されています。 - 長らく糖尿病治療の基本薬とされていたビグアナイド薬に2022年からはツイミーグが加わりました。従来のものよりも安全と効果の面で期待されています。
- 2022年から間欠スキャン式持続血糖測定が保険収載されました。
これまでは皮膚に針を刺して少量の血液を出し自己血糖値測定をしていましたが、間欠スキャン式持続血糖測定では皮膚にセンサーを張り付けて血糖値を測定します。
痛みが少なく、24時間の血糖値が測定できます。
このように、角田記念まつだクリニック内科・消化器内科では、少しでも糖尿病患者様の治療を負担なく続けられるよう努めております。
治療抵抗性の患者様、合併症を有する患者様に関しては、「かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関紹介基準」「かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関紹介基準」に準じて、専門医・専門医療機関と連携をとりながら治療を行っています。
【PDF】かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関紹介基準
(作成:日本糖尿病学会 監修:日本医師会)
【PDF】かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関紹介基準
(作成:日本腎臓学会 監修:日本医師会)
糖尿病の治療は継続が大切です。そのためには、まずは通院しやすい医療機関に相談することをお勧めします。
健診で「血糖値」「HbA1C」「尿糖」など「糖尿病」を疑う所見を指摘された場合は、遠慮なくご相談ください。
【2024年春】花粉飛散予想
2024.02.16
仙台市内における2024年春のスギ花粉の飛散開始は、例年並みの2月下旬と予想されています。
飛散量は例年(過去10年)と比べるとやや多い見込みです。花粉症の方は万全の対策を行ってください。
花粉症に対しては下記のような対策が有効です。
- マスク、眼鏡、帽子を着用する
- 表面がすべすべした素材のコートを着用する
- 帰宅時に衣服や髪をよく払ってから入室する
- 入室後、すぐにうがい、手洗い、洗顔をする
- 窓、戸をなるべく閉めておくようにし、換気時には窓を小さく開け、短時間にとどめる
- 洗濯物の外干しは避け、室内干しや乾燥機を使用する
- 特に窓際を念入りに、こまめに掃除をするようにする
- 空気清浄器を使用する
- ニュースなどで花粉の飛散状況をチェックし、飛散の多いときには念入りに対策したり、外出を控える
仙台市若林区六丁の目にある角田記念まつだクリニック内科・消化器内科では、花粉症に対しては、抗アレルギー薬(内服薬・点眼薬・点鼻薬)の処方を行っています。
これらの抗アレルギー薬は即効性に欠けるため、花粉飛散開始の1~2週間前からの服用が必要といわれています。
例年、花粉症の症状にお悩みの患者様は早めにご相談ください。
だ液によるがんリスク検査『サリバチェッカー』が当院で受けられます
2024.01.29
サリバチェッカーは、医療ベンチャー企業 株式会社サリバテックが運営するがんリスク検査サービスです。がんで異常値を示すだ液中の物質(ポリアミン類)をAIで解析することで、6つのがんのリスク(肺がん、膵がん、胃がん、大腸がん、乳がん、口腔がん)を調べることができます。
■特徴
✓たった0.1mlのだ液を提出するだけなので検査による体の負担が少ない。
✓一度に6種類のがんのリスクが把握できる。
✓検査時のリアルタイムのリスク評価であるため、繰り返し行うことによりがんの早期発見につながる可能性がある。
✓検査結果は医療機関を介して受け取るので、リスク値が高い場合は医師に直接相談できる。
■検査費用
19,800円(税込)
■検査の申し込み方法
当院で行う方法と、検査キットを持ち帰り自宅で行う方法があります。
詳しくは電話もしくは受付にて当院にご相談ください。
※本検査は自由診療ですので、検査料は全額自己負担となります。
※検査結果について医師から説明を受けたり相談する場合は通常診療と同様に診察料などがかかる場合があります。
※サリバチェッカーは、がんを「診断」するための検査ではありません。 がんを「診断」するためには、医療施設でより精密な検査を受けていただく必要があります。
【令和5年度】新型コロナワクチン追加接種・
インフルエンザワクチン接種の予約について
2023.12.04
角田記念まつだクリニック内科・消化器内科では、令和5年度のインフルエンザワクチン・新型コロナワクチン秋開始個別接種の予約を行っています。
接種を希望される方はご予約をお願いします。
|新型コロナワクチン
<実施期間>
令和5年9月25日(月)から接種開始
<接種対象者>
接種券をお持ちの12歳以上の方
【ご注意】
・当院では初回接種(1回目・2回目)は行いません。3回目以降の新型コロナワクチン接種の方が対象です。
・当院では12歳未満の方への新型コロナワクチンの接種は行っていません。
<接種料>
無料
<ご予約方法>
お電話もしくはネットにてご予約を受け付けております。
|インフルエンザワクチン
<実施期間>
令和5年10月2日(月)から接種開始
<接種対象者>
6歳以上の方
<接種料>
- 一般の方 3,500円(税込)
- 13才未満の方 3,500円(税込)
- 13才未満かつ当院で1回目の接種を終えた2回目 2,900円(税込)
- 高齢者インフルエンザ予防接種費用助成対象者 1,500円(税込)
【ご注意】
高齢者インフルエンザ予防接種費用助成を希望あれる方は必ず保険証をご持参ください。
<ご予約方法>
お電話もしくはネットにてご予約を受け付けております。
【ご注意】
インフルエンザワクチンのネット予約は10月2日(月)~12月9日(土)の接種に関して可能です。12月11日(月)以降の接種に関しては、お電話のみでの予約受け付けとなります。
女性の「貧血」の原因と受診する科
2023.12.04
貧血とは血液の赤血球に含まれるヘモグロビンという物質が少なくなった状態です。
ヘモグロビンは血流に乗って酸素を身体全体に運ぶ働きをしています。よって、貧血では酸素の供給が低下して、疲れやすい・息切れ・めまい・動悸といった症状が出ます。
また、女性の場合は貧血の状態に慣れてしまい自覚症状がなく、健康診断で初めて指摘されることもあります。
このように女性にとって貧血とは健康診断で最も多く認める異常の一つですが、症状がなくても放置してはいけません。そこには重大な病気が潜んでいるかもしれません。
それでは、貧血の場合はどの診療科を受診するのがよいのでしょうか?やはり内科でしょうか?
|貧血の原因について
貧血には色々な種類がありますが、女性の貧血の90%以上はヘモグロビンの材料となる体内の鉄が不足しておこる「鉄欠乏性貧血」です。
鉄欠乏性貧血の原因としては、月経の量が多すぎること(過多月経)が最も多いです。
比較的頻度が多く生命に影響を与える可能性がある原因としては、胃や大腸からの出血(消化管出血)や月経時以外の女性器からの出血(不正性器出血)です。これらの症状がある場合は悪性のがんが潜んでいる可能性があり注意が必要です。
貧血には腎臓や血液の病気によるものもありますがその頻度はあまり多くありません。
鉄欠乏性貧血の原因
出血による鉄の喪失 |
|
鉄の吸収不良 | 胃炎による胃粘膜の異常や胃切除などによる鉄の吸収不良 (鉄が体に吸収されるには胃酸が必要です) |
鉄摂取量の不足 | 偏食やダイエットで食事からの摂取量が不足 |
鉄の需要の増加 | 妊娠や授乳など |
|女性の「貧血」はまずは婦人科または消化器内科に相談を!
女性の貧血で過多月経や不正性出血がある場合は婦人科へ相談するのをおすすめします。
血便・腹痛・便秘といった胃腸の症状を伴う場合、閉経した女性、胃がんや大腸がん検診を受けていない方は消化器内科に相談するのがよいと考えます。
これらに該当しない場合は一般内科でもよいでしょう。
消化器内科医は貧血の相談を受けることが多い診療科です。よって、当院も貧血の患者さまが頻繁に受診されます。
まずは、“総合内科専門医”として貧血が婦人科疾患・消化器疾患・血液疾患・腎疾患・その他の疾患のいずれかが原因となっているか調べます。消化器疾患が原因として疑われる場合は“消化器内科専門医”“消化器内視鏡専門医”として、胃や大腸に貧血の原因となる病気がないか調べます。
婦人科疾患が疑われる場合は併設している“ちえこ・ゆきかレディースクリニック”の女性医師と連携をとりながら診療を行っています。
健康診断で「貧血」を指摘された際は遠慮なく仙台市若林区六丁の目駅前の角田記念まつだクリニック内科・消化器内科までご相談ください。
糖尿病の診断について(血糖値とHbA1Cについて)
2023.10.23
皆さん今年度の健康診断の結果はいかがでしたか?
仙台市若林区六丁の目にある角田記念まつだクリニック内科・消化器内科では、短時間かつ少量の血液で糖尿病の診断できる検査装置を導入しています。
今回は糖尿病の診断に関して少し触れたいと思います。
そもそも糖尿病とはインスリン(膵臓から分泌される血糖値を下げるホルモン)の作用不足によって、血糖値の高い状態が続く病気です。高い血糖は血管を傷つけ、さまざまな糖尿病合併症を引き起こします。よって、血糖値を見ることは糖尿病の診断には非常に重要です。しかし、1回だけの血糖値では糖尿病の診断をすることはできません。「去年の健康診断は血糖値160で糖尿病と言われたけど、今年は120だった。何もしてないのに良くなったよ。」とお話しになる患者様がいます。これは、本当に良くなったのでしょうか?健康な人でも血糖値は食事・運動・ストレスなどの影響を受け70mg/dl〜140mg/dlぐらいの幅で変化します。糖尿病の患者様ではこの上昇の幅はより大きくなります。1回の血糖値のみで糖尿病の診断ができないのはこのためです。これを補うためにHbA1C(ヘモグロビンA1C)など過去にさかのぼって長期の血糖値の状態を把握する検査と照らし合わせて、糖尿病の診断を行います。
日本糖尿病学会の糖尿病診断では
- 血糖値(空腹時≧126mg/dl、75gOGTT2時間≧200mg/dl、随時≧200mg/dlのいずれか)
- HbA1C≧6.5%
を糖尿病型としています。
血糖値とHbA1Cが共に糖尿病型であるとき糖尿病と診断します。血糖値・HbA1Cのどちらか一方のみが糖尿病型の場合は再検査します。再検査で血糖値が糖尿病型の時は糖尿病と診断できます。最初の検査で血糖のみが糖尿病型、再検査でHbA1Cのみが糖尿病型の場合も糖尿病と診断できます。
上記のOGTTとはブドウ糖負荷試験のことです。前日の夜から絶食とし、朝にクリニックに来院していただき、75gブドウ糖を水に溶かしたもの(トレーランGというジュースのようなものを使用するのが一般的)を飲み、30分、60分、120分と採血し血糖値の推移を調べます。いわゆる隠れ糖尿病の診断に役立ちます。また、糖尿病の診断に至らない患者様でも、60分の血糖値が180mg/dl以上の場合は、将来糖尿病を発症する可能性が高いと言われ、慎重な経過観察を必要とします。
日本糖尿病学会では以下のような患者様にこの検査をすすめています。
1.強く推奨される場合(現在の糖尿病の疑いが否定できないグループ)
- 空腹時血糖値 110〜125mg/dlのもの
- 随時血糖値 140〜199mg/dlのもの
- HbA1Cが6.0〜6.4%のもの
2.行うことが望ましい(将来糖尿病を発症する可能性が高いグループ、高血圧、脂質異常症、肥満など動脈硬化のリスクをもつものは、特に施行が望ましい)
- 空腹時血糖値が100〜109mg/dl
- HbA1Cが5.6〜5.9%もの
- 上記を満たさなくても、濃厚な糖尿病の家族歴や肥満が存在するもの
糖尿病は自覚症状に乏しく、健康診断などでの早期発見が大切です。今一度、ご自身の今年度の健康診断の結果をご確認ください。
院内でピロリ菌の便中抗原検査ができるようになりました
2023.07.04
|ピロリ菌とは?
ピロリ菌は胃粘膜に生息する細菌で、胃がんの最大の原因です。
|ピロリ菌の検査方法
感染診断にはいくつかの方法がありますが、その中で尿素呼気試験は最も精度が高いとされています。
仙台の角田記念まつだクリニック内科・消化器内科では、2020年に尿素呼気試験の検査機器を導入し、短時間で感染診断を行うことができるようになりました。これにより、速やかにピロリ菌の除菌療法を開始することが可能となり、患者様の通院負担軽減に大きく貢献しています。
しかしながら、ごく稀にではありますが、内視鏡でピロリ菌感染を強く疑っても、尿素呼気試験で診断できない場合があります。
抗菌薬や胃薬などの服用、呼気の採取時に息止めが上手にできなかったことなどは、尿素呼気試験の偽陰性(実際は感染しているのに検査で陰性と判定されてしまうこと)の原因として知られています。このような場合は他の検査を行い、総合的にピロリ菌の感染診断を行います。
|精度が高く負担も少ないピロリ菌検査「便中抗原測定法」
当院では、便の中にピロリ菌の痕跡がないか調べる便中抗原測定法という検査を行っています。
方法は簡単で、専用容器で便を採取し、診断キットを用い10分程度で判定できます。
採便が必要であるという欠点はありますが、体への負担はなく、精度も近年はめざましく向上し、尿素呼気試験と比較しても遜色はありません。ピロリ菌治療後の効果判定にも使用できます。
これまで当院ではこの検査は外部の検査機関に委託していたため、診断まで数日を要していましたが、この度院内で実施可能となりました。これにより患者様のさらなる負担の軽減が期待できます。
仙台でピロリ菌の検査治療をお考えの方は、ぜひお気軽に若林区六丁の目駅前の角田記念まつだクリニック内科・消化器内科までご相談ください。
令和4年度 当院における上部内視検査(胃カメラ)の実施状況
2023.07.04
仙台の角田記念まつだクリニック内科・消化器内科で実施した、昨年度の胃カメラの実施状況に関してご報告します。
当院で胃カメラを受けられる患者様の参考になれば幸いです。
・実施した人数
令和4年度 | 518人 |
令和3年度 | 528人 |
令和2年度 | 555人 |
・検査の種類
経口内視鏡(口からの胃カメラ) | 253(48%) |
経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ) | 193人(37%) |
鎮静剤を使用した上部内視鏡(眠ってする胃カメラ) | 72人(14%) |
・主な検査の目的
胃の痛み・胸やけなど症状の原因を調べるため | 173人(33%) |
前回の胃カメラで指摘された病変の経過観察のため | 114人(22%) |
健康診断(バリウムなど)で異常を指摘されたため | 58人(11%) |
仙台市胃がん内視鏡検診 | 148人(29%) |
・診断した胃の病気で特筆すべきもの
未治療のピロリ菌による胃炎 | 50人 |
治療を必要とする逆流性食道炎 | 36人 |
胃・十二指腸潰瘍 | 9人 |
胃粘膜下腫瘍 | 16人 |
食道胃静脈瘤 | 2人 |
アニサキス症 | 1人 |
≪総括≫
新型コロナウィルス感染拡大以降、内視鏡では厳重な感染対策の実施が必要となりました。
当院でも従来行っていた対策に加え、ガイドラインに準じて検温、換気、ガウン・フェイスシールド着用など、これまでにない対策を開始しました。
令和4年度は弱毒のオミクロン株が流行の主体となり、ワクチン接種率向上もあいまって、様々な状況で規制緩和が行われました。しかしながら、内視鏡診療の現場では依然として感染リスクを念頭におきながら診療を続けています。
医療のなかで内視鏡はコロナ流行以前から厳重な感染対策が要求される部門です。
近年、当院で感染対策として行ってきたことの一つは、内視鏡機材のディスポーザブル(使い捨て)への変更です。
以前は多くの機材を消毒滅菌し再利用していましたが、近年はディスポーザブル製品も発売されています。ディスポーザブルはコスト面では不利ですが(患者さまの検査費用には影響ありませんのでご安心ください)、感染予防には非常に有効です。
昨年度はマウスピース(胃カメラを嚙まないように口にくわえる器具)をディスポーザブルに変更しました。最も徹底した消毒滅菌を必要とする処置具の生検鉗子(癌が疑われるときに診断のため胃の粘膜を採取する器具)は、2019年にディスポーザブルに変更しています。これらの対策は当院の内視鏡の感染予防に大きく寄与すると考えています。
仙台市若林区六丁の目駅前の角田記念まつだクリニック内科・消化器内科では、患者様が安全に内視鏡を受けられるよう、常に検証を行い環境整備しています。