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健康診断で便潜血反応陽性を指摘された場合は必ず大腸内視鏡検査をうけましょう!令和6年度の大腸内視鏡検査の実施状況
2025.07.07

仙台で大腸内視鏡検査はまつだクリニック

|便潜血反応とはどのような検査ですか?

便潜血反応とは便のなかに血液が混ざっていないか調べる検査です。精度は高く微量の血液でも検出でき、大腸に出血をきたすような病気(大腸がんなど)がある場合は陽性となります。毎年受診することで、大腸がんによる死亡率を3割減少させるという、しっかりとしたエビデンスもあります。便を採取するだけで簡便なため、健康診断の大腸がんを調べる項目として一般的に広く行われています。陽性となった場合は、主に大腸内視鏡(大腸カメラ)による精密検査が行われます。当院では大腸内視鏡検査を行う理由として最多です。

 

|便潜血反応陽性になったらどれくらいの確率で大腸がんがあるのでしょうか?

便潜血反応で陽性の場合、精密検査で大腸がんが見つかる確率は2~3%といわれています。当院でも2021年4月から2024年3月まで、便潜血陽性の精密検査のため大腸内視鏡検査を受けた患者さま278人のうち8人で大腸がんが見つかっています(大腸がんが見つかる割合2.8%)。このうちの1人は20才代の患者さまであり、若いから大丈夫ということはありません。
また、当院では大腸内視鏡検査を受けた約半分の患者さまで下記のような大腸の病気が見つかっています(大腸の病気が見つかる割合51.4%)。

進行大腸がん 2人
早期大腸がん 6人
ポリープ 132人
潰瘍性大腸炎 2人
赤痢アメーバ― 1人

以上のように便潜血反応は非常に有用性の高い検査です。しかしながら、全国的には陽性となった場合の精密検査の受診率は60%程度にとどまります。これは肺がんなど他のがん検診(約80%)と比べると低く、多くの大腸がんが放置されている可能性があります。健康診断で便潜血反応陽性を指摘された場合は必ず大腸内視鏡検査を受けましょう!

 

|令和6年度の大腸内視鏡検査の実施状況

昨年度の当院の大腸内視鏡実施状況に関してご報告します。当院で大腸内視鏡検査を受けられる患者さまの参考になれば幸いです。

・実施した数

令和6年度 200人
令和5年度 178人
令和4年度 202人

・実施した大腸内視鏡の詳細

全大腸内視鏡検査 111人(55%)
鎮静剤を使用した(眠ってする)全大腸内視鏡検査 178人(37%)
S状結腸内視鏡* 15人(7%)

*肛門からS状結腸まで観察する内視鏡検査です。(全大腸内視鏡は肛門からさらに奥の盲腸まで観察します。)血便で来院された場合に前処置をせずに行います。血便の原因や緊急性の評価に役立ちます。

・主な検査の目的

血便の原因を調べるため 血便の原因を調べるため
腹痛、下痢、便秘などの症状の原因を調べるため 42人(21%)
前回の大腸カメラで指摘された病変の経過観察のため 17人(8%)
健康診断(便潜血反応など)で異常を指摘されたため 77人(38%)

・診断した大腸の病気で特筆すべきもの

進行大腸がん 1人
早期大腸がん 1人
大腸ポリープ 82人
潰瘍性大腸炎 4人
虚血性腸炎 1人

・大腸ポリープの転帰

当院でポリープを治療切除 12人
高次医療機関にポリープの治療を依頼** 11人
経過観察 59人

**連携紹介医療機関:仙台医療センター(2人)、東北医科薬科大学病院(4人)、仙台市立病院(2人)、仙台厚生病院(1人)、東北大学病院(1人)、県外の病院(1人)

 
このように、健康診断で便潜血反応陽性と指摘されたことをきっかけに大腸の病気の発見に至るケースがあります。早期発見により適切な治療へ結びつけることが重要ですので、健康診断で要精密検査となった際には角田記念まつだ内科・消化器内科へご相談ください。