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生鮮魚介類を食べたあとの突然の腹痛!アニサキス症:令和5年度 胃カメラ(上部内視鏡検査)の実施状況
2024.06.13

アニサキス症・イメージ・女性

アニサキスは、サバ、アジ、イワシ、イカ、サンマなどに寄生する20mm弱の白い糸状の寄生虫です。人の体内に侵入したとき、アニサキスは胃や腸の壁に食いつき、腹痛・嘔吐といったアニサキス症を引き起こします。

令和5年度、当院でアニサキス症と診断した患者さまは4人でした。冷蔵技術・流通システムの進歩により新鮮な魚介類を手軽に食べられるようになりました。そのためアニサキス症の患者さまは毎年のように受診されます。魚介類を食べたあとに胃痛、吐き気が現れた場合は、できるだけ早くご相談ください。

アニサキスの症状

アニサキスが、口から体内に入り、胃の壁に食いつき突き刺さると胃アニサキス症を発症します。アニサキスが寄生している魚介類を摂取3~4時間後に激しい胃痛・嘔吐が現れます。アニサキスが胃を通過し腸に食いつき突き刺さった場合は腸アニサキス症を発症します。症状の出現は胃アニサキス症より遅く摂取10時間から数日後に下腹部痛や吐き気をきたします。稀ではありますが腸閉塞や腸穿孔をきたし入院が必要となる場合もあります。

胃アニサキス症の検査・治療

問診により胃アニサキ症が疑われる場合は、胃カメラ検査を行います。アニサキス虫体を認めた場合は内視鏡を使って除去することもできます。虫体除去により症状は軽快します。令和5年度、当院で診断した4人の胃アニサキス症の患者さまも、全て当院で内視鏡を用いてアニサキスを摘出しています。

アニサキスの予防

アニサキスは60℃以上1分以上の加熱、マイナス20℃以下24時間以上の冷凍で死んでしまいます。アニサキスは魚介類の内臓に寄生し、捕獲されると筋肉に移動します。魚介類を調理するとき新鮮なうちに内臓を取り出しておくことでアニサキス症のリスクを下げることができます。アニサキスは20mm弱の白い糸状の虫体です。調理するときや食べる直前によく観察し、アニサキスの有無を確認することも大切です。

《令和5年度 胃カメラ(上部内視鏡検査)の実施状況》

・実施した数

令和5年度 550人
令和4年度 518人
令和3年度 528人

 

・検査の種類

経口内視鏡(口からの胃カメラ) 263人(48%)
経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ) 204人(37%)
鎮静剤を使用した上部内視鏡(眠ってする胃カメラ) 83人(5%)

 

・主な検査の目的

胃の痛み・胸やけなど症状の原因を調べるため 168人(31%)
前回の胃カメラで指摘された病変の経過観察のため 116人(21%)
健康診断(バリウムなど)で異常を指摘されたため 71人(13%)
仙台市胃がん内視鏡検診 166人(30%)

 

・診断した胃の病気で特筆すべきもの

未治療のピロリ菌による胃炎 50人
治療を必要とする逆流性食道炎 7人
胃・十二指腸潰瘍 10人
胃粘膜下腫瘍 6人
食道胃静脈瘤 2人
アニサキス症 4人

例年よりも梅雨入りが遅く気温の高い日が続く見込みです。食品の管理には十分注意し、胃痛・吐き気など異変を感じた際には、できるだけ早く若林区六丁の目駅前の角田記念まつだクリニック内科・消化器内科までご相談ください。