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RSウイルス感染症は高齢者の重症化に注意!ワクチンによる予防が有効
2024.01.23

RSウイルスは感染すると4~5日の潜伏期間を経て発熱、鼻水、咳などの症状が数日続き、多くは軽症で治癒します。接触感染と飛沫感染で広まります。

乳幼児がかかる病気として広く知られていますが、実は高齢者も多く感染します。その場合は肺炎など重症化するケースも少なくありません。

|高齢者の重症化に注意

季節性の呼吸器感染症として知られているインフルエンザは例年700万人~1,000万人の患者が外来を受診していると推定されています。
そのうち60歳以上の高齢者の割合は2018~2019年シーズンで14.5%、2019~2020年シーズで9.1%でした。

RSウイルス感染症の場合は60歳以上の患者は年間70万人と推定されています。このうち入院は6.3万人、死亡は4,500人です。これはインフルエンザにも匹敵する患者数です。

インフルエンザと比べた場合の高齢者のRSウイルス感染症の特徴としては、死亡率は若干低いのですが、入院期間が長期間となる傾向があります。そのため、高齢者では日常生活を送るための動作能力が低下し、寝たきりになってしまうケースもあります。

このように例年インフルエンザと同様に猛威をふるうRSウイルス感染症ですが、高齢者ではどうして認知度が低いのでしょうか?

乳幼児ではRSウイルス感染症は迅速検査キットを用いて診断することができます。
しかし、高齢者の場合は小児と比べウイルスの排出量が少なく、迅速診断キットでは正確な診断ができません。よって、高齢者の場合は迅速検査自体も保険適応外となっています。
治療に関してもインフルエンザのような抗ウイルス薬はなく、症状を和らげる治療が中心となります。

このように、診断法・治療法がないことが、われわれ医療従事者も含め高齢者のRSウイルス感染症の認知度低下につながっていると推定されます。

|RSウイルス感染症はワクチンによる予防が有効

高齢者ではRSウイルスに対する診断・治療法がないことは先述した通りです。
よって、重症化の危険がある高齢者にとっては予防が非常に重要です。

2023年9月にRSウイルスに対するワクチン(アレックスビー:グラクソス・ミスクライン社)が承認されました。60歳以上が対象です。
特に基礎疾患(慢性閉塞性肺疾患・気管支喘息といった呼吸器の病気、糖尿病、慢性心不全、進行した肝臓や腎臓の病気)のある高齢者への有効性が期待されています。

RSウイルスワクチンとインフルエンザワクチンの比較

RSウイルスワクチン
(アレックスビー)
インフルエンザワクチン
接種回数 1回 1回または2回
持続効果 現時点でデータなし 1シーズン
注射方法 筋肉注射 皮下注射
対象年齢 60歳以上 全年齢(生後6か月以上)
接種時の痛み 10%以上 頻度不明であるがあり
副反応 頭痛、筋肉痛、関節痛(10%以上)、発熱(1~10%未満) 特に問題となるものはなし
有効性 60歳以上では82.58%、基礎疾患のある患者では94.61%の有効性を認めた。 高齢者(65歳以上)では発病阻止効果が34~55%、死亡阻止効果が82%で有効であった。
価格 薬価収載待ち 4,000円前後

仙台市若林区六丁の目駅前の角田記念まつだクリニック内科・消化器内科でも、RSウイルスワクチン接種に向け準備中です。新しいワクチンのため持続効果など今後の調査結果が待たれるところもありますので、詳細が分かりましたらお知らせします。