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あなたの血圧は130/80未満?高血圧の新基準2025
2026.02.18

高血圧のイメージ写真
昨年「高血圧管理・治療ガイドライン(JSH2025)」が改訂されました。高血圧の治療を行うときに我々が最も参考にするバイブルです。その要点をまとめてみました。「高血圧は長い付き合いでよく分かっているよ。」とお考えかもしれませんが、改めて見直してみてはいかがでしょうか?

|治療目標「130を超えないで!」

高血圧のこれまでの治療目標は高齢者や合併症によっては緩めに設定されていました。しかし、これらの患者さまでもより低い血圧管理を行ったほうが、メリットが多いというデータがえられ、原則として「診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満」に治療目標が統一されました。ただし、目標値は統一されたものの、めまい、立ちくらみ、ふらつき、極端な腎機能低下、虚弱(フレイル)傾向がある高齢者など、副作用リスクが高い場合は、主治医と相談のうえ目標を緩やかに調整することも必要です。

|家庭での血圧が重要!

「血圧は病院で測っています。家では測っていません。」
これではいけません。白衣高血圧(病院では血圧が高く、自宅では低い)、仮面高血圧(病院では低く、自宅では高い)。前者は治療不要ですし、後者は治療が必要です。病院の血圧は全く参考になりません。

ガイドラインでは起床後1時間以内(排尿後、服薬前、朝食前)と就寝前の2回測定が推奨されています。これが日常の血圧を最も正確に反映するとされています。高血圧の診断基準は変更ありません。従来通り「診察室:140/90 mmHg以上、家庭:135/85 mmHg以上」のままです。

|血圧の治療は早く確実に!

高血圧の治療においては、従来とおり塩分摂取は1日6g未満、野菜・果物、運動、適正体重、節酒・禁煙は推奨されます。以前は指導を中心とした薬をのまない治療の期間が高血圧の重症度により1~3か月で設定されていました。しかしながら、今回の改訂では診断後「1か月以内」の早期再評価と薬物治療開始が推奨されています。軽い高血圧でも期間が長ければ将来の心筋梗塞や脳卒中、認知症などの心血管疾患リスクが高まるという科学的根拠(エビデンス)に基づいた考えです。

高血圧の治療薬の第一選択薬としては、以前からあるカルシウム拮抗薬、ARB/ACE阻害薬、利尿薬の3種が推奨されています。起床時の血圧が高い、脈が早いなど個々の状態によりα遮断薬、β遮断薬が選択されることもあります。

「俺、血圧の薬を3種類ものんでいるんだよ!」と落胆される患者さまがいます。高血圧の治療では、薬の量を増やすよりも、少量の薬を2~3種類併用したほうが血圧を下げる効果が高いことが知られています。また、降圧薬の併用は副作用の軽減にも有効です。ガイドラインにおいても早期の併用療法や配合剤の有効性がしめされています。

また、新しい治療薬であるアンギオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRI拮抗薬)が、第一選択薬での治療が上手くいかないケースや腎臓や心臓の病気のある高血圧の患者の選択肢として追加されています。また、最近ではスマートフォンアプリなどもあり高血圧治療での利用も提案されています。

|まとめ 高血圧と診断されたら

高血圧は自覚症状が少ない一方で、心筋梗塞や脳卒中、腎機能障害など重大な疾患のリスクを高める病気です。2025年改訂の「高血圧管理・治療ガイドライン(JSH2025)」でも、より早期かつ確実な血圧管理の重要性が示されました。

「まだ軽いから様子を見よう」と自己判断せず、まずは現在の血圧状態を正しく把握することが大切です。特に家庭血圧の測定は、今後の治療方針を決めるうえで重要な指標となります。

仙台市若林区六丁の目にある角田記念まつだクリニック内科・消化器内科では、

  • 高血圧の診断および精密評価
  • 家庭血圧の指導
  • 生活習慣の改善サポート(減塩・運動・体重管理など)
  • 最新ガイドラインに基づいた薬物療法

を行っております。

患者さま一人ひとりの年齢や体質、合併症の有無に合わせた血圧コントロールを一緒に考えていきます。健診で血圧が高いと言われた方、すでに治療中で数値が安定しない方も、どうぞお気軽にご相談ください。